フィリピン国内の会社
フィリピンは外国資本の流入が古くから起こっていて、有力なフィリピン企業はスペイン系の財閥によるものか、華人系の財閥によるものが多いです。それぞれ商社、あるいは現地で農園などを展開していて、その歴史が古いため、すっかり現地の企業として扱われるようになっています。スペイン系で代表的な企業はアヤラ・コーポレーションです。すでに180年以上の歴史を持つ財閥系商社で、不動産、金融、通信が主力の事業です。日系企業が現地でビジネスを行う際は必ずといっていいほど商流を持つことになる代表的な企業になっています。
華人系の有力企業はホセ・コファンコ・アンド・サンズ社です。農園系や不動産などのビジネスを長く展開していて、フィリピンに定着したコファンコ家が経営しています。他にもシー財閥という同様に華人系の財閥はフィリピンの小売最大手SMグループを展開していて、前述したスペイン系のアヤラ・コーポレーションのフィールドを侵食しはじめています。
他にもユーチェンコ財閥が経営するマラヤン保険会社、ルシオ・タン財閥が経営するフィリピン航空などがあります。これらの財閥は複数の事業を展開しています。フィリピン内で大手の企業はこのように華人かスペイン系の企業であると捉えてほぼ間違いありませんが、すっかり土着していて、現地化しています。インフラ系から小売、銀行、航空に至るまでがこのような財閥の力で発展したというのが大手フィリピン企業の最大の特徴になっています。